エネルギー問題が日々の仕事や暮らしの中で重く感じられるようになった昨今。再生可能エネルギーに対する期待は高まっています。(株)千代田エネルギーは(株)千代田設備の関連会社として、省エネ機器の販売や太陽光発電の販売・施工をおこなっています。なかでも、今回取り上げる「PPAモデル」は再生可能エネルギーの導入を検討されている方々には注目です。
環境省のwebページによれば「PPAモデル」とは「初期投資0円で発電設備を設置しその電気を利用することで電気料金とCO2排出を削減することができる」太陽光発電モデル。
クリーンであるだけでなく、パネルは事業者の資産ではないのでメンテナンスも不要。つまり維持費ゼロ。事業者は使用した電気代をエネルギーサービス会社(千代田エネルギー)に支払います。通常の電気代に課せられる再エネ無課金と燃料調整費も掛かりません。
非常に優れたモデルですが、一定以上の電力を消費する企業や自治体でないとシステム上、サービス会社側がペイできません。
今回、(株)千代田エネルギーは新潟市南区の(株)スズキ紙器とPPAモデルの契約を締結しました。2021年12月20日から稼働も開始しています。
両社の間を取り持ったのが協栄信用組合白根支店です。
「たまたまスズキ紙器さんとお話をしていた中で、鈴木壽男社長から『これからはSDGsなど社会的に認められるような企業じゃないとダメだ』とお話がありまして。すぐに、以前からお取り引きがある千代田エネルギーさんが浮かびました。私もPPAのことは知っていたので、すぐに紹介させて頂きました」(堀江義明支店長)
タイミング的には電力不足が叫ばれる前のこと。「先見の明」とはまさにこの事でしょう。
仲間にもPPAモデルの良さを伝えたい
「信頼関係がありますからね。そういう意味では堀江支店長が言おうとしていることは何となくわかった。けれど具体的な仕組みというのは、当初よく理解できていたわけではなかった」。鈴木社長がその時の気持ちを素直に話して下さいました。
「いろいろと周りの声を聞くこともあり、私は太陽光発電自体にはあまり期待を持っていなかった。だけど最近SDGsやノンカーボンといった話が出ている。そういう意味で、長いスパンで見れば間違いなくそういう方向に行くんだろうというのはわかる」(鈴木社長)
ご自身でも3年前から電気自動車に乗っていますが「理念で乗っているわけじゃない」と言い切る鈴木社長。しかしPPAモデルの導入から半年。電気代が急騰する中、太陽光発電は(株)スズキ紙器に少なからぬコスト削減効果をもたらせました。
「仲間にもPPAモデルの良さを伝えたくて説明するんだよ。でも私自身がその仕組みをよく理解していない部分があって(笑)。初期投資がゼロなんだよ。屋根貸せばいんだよ。太陽光で発電した電気は自分のところで使えて、発電すればするほど電力会社に払う電気代が安くなるらしいんだよと。そういう話をするんだけれど、じゃあ千代田エネルギーさんは何で儲けているんだ、と。それは国から何かあるんじゃないか、助成金とかって。よく理解していなかったものだから(笑)」
知り合いの企業さんにPPAを推薦するまでになった鈴木社長。
(株)スズキ紙器さんが扱っている原料である紙はすでに100%がリサイクル品です。エネルギーも再生可能にすることで、企業価値はますます高まっていきそうですね。
SDGsの目標を達成し、企業価値を高める
一方の(株)千代田エネルギー、スマート事業部第一営業課 関清文課長と第二営業課 山村薫課長に、今回のお取引について伺いました。
「協栄さんを通してのお取り引きと言うこともあり、スムーズにお話を進めさせて頂きました。PPAモデルは全てのお客様に該当するわけではありません。ある程度の電力消費量があって、屋根がそれなりに大きい企業さんでないと難しい。製造業のお客さまはまさにピッタリ。協栄さんはそこを良く理解された上で紹介して下さる」(関課長)
「PPAモデルは20年近くの長期契約になるので、安定して経営が継続できる企業さんでないと厳しい。スズキ紙器さんはバッチリでした」(山村課長)
「新潟に暮らしているとどうしても冬の日射量が気になるかもしれません。確かに11〜2月というのは太陽光にとって不利。けれど4月から10月は東京と比較しても日射量が多いというデータがあります。一年間平均して比較してみた場合、東京と比べて新潟は90〜95%くらいの日射量があると言われています」(関課長)。
雪国・長岡市が産業界の「脱炭素化」を支援するために立ち上げた「長岡市省エネ・再エネ産業振興プラットフォーム」にも(株)千代田エネルギーは参加しています。
「千代田エネルギーさんがやろうとしていることは、非常に素晴らしい取り組みです。皆さんにお伝えできれば。ゆくゆくは全部太陽光にするんだという気持ちに持っていきたい」。堀江支店長も思いをたぎらせます。
太陽光発電で、SDGsの5項目くらいには貢献できるといいます。お客様にしてみれば、ローリスクでコスト削減と企業イメージのアップを両立できます。これからの時代、ますます注目を集めるモデルとなることを確信しています。